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HOME > インスティテュート組織と連携 > 明治大学発生工学研究室

プロジェクト

明治大学発生工学研究室

明治大学
代表者: 長嶋 比呂志 (明治大学農学部教授)
所在地: 川崎市多摩区東三田1-1-1
クラスターでの役割:
・研究統括&遺伝子改変ブタ・クローンブタの作出・維持・管理・普及
研究内容:
・ブタiPS細胞の作出
研究実績:

膵臓欠損クローンブタ  

幹細胞制御現在、臓器不全症に対する治療には人工臓器あるいは他人からの臓器移植による臓器置換法が主流です。しかし人工臓器にはその生理機能、生体適合性といった問題が、また臓器移植には感染や倫理の問題に加えて絶対的なドナー臓器の不足が大きな問題となっています。
このような状況下、新しい治療法として胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの幹細胞を用いた再生医療が注目を浴びています。しかし現在の再生医療が目指しているのは細胞療法が主体であり、複雑な細胞間相互作用をその発生過程に必要とする臓器を試験管内で再生することは不可能と考えられています。本研究ではBlastocyst Complementation(胚盤胞補完)法を用い臓器を異種動物個体内で再生することを最終ゴールとし、ブタによる臓器再生・移植を行う研究を進めています。本研究成果を基盤にして、将来的にヒト臓器が家畜を利用して再生できるようになれば、多くの患者を救済できるだけでなく、ヒトの臓器や組織を利用した創薬や医療関連産業にも画期的進歩をもたらすことが予想されます。

  • 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 ERATO 中内幹細胞制御プロジェクト
クローンブタの反復作出  

クローンブタ現時点で、当研究グループのクローンブタ生産実績は日本一(農水省統計)であり、その技術力は世界トップクラスといえます。当研究グループでは、体細胞クローン技術により、反復的にブタクローンを作出し、ついに第5世代クローンに作出に世界で初めて成功しました。クローンブタを安定的に作出し、その発現が世代を超えても同一であることが確認できれば、同じ条件の実験をブタの一生を越える長期間にわたり行うことができるようになります。
これにより、様々な再生医療研究に利用可能な実験モデルとしての利用が可能になります。この体細胞クローンによって様々な病態モデルのクローン集団(syngenic)を構築でき、遺伝子を入れたり、除去したりといった操作ができます。
朝日新聞 クローンブタ

胚の凍結保存  

凍結保存当研究グループは、クローン胚、受精卵を凍結保存する技術においても当世界トップの技術開発を絶え間なく行っています。

・ブタ品種の多様性保存
クローン胚の凍結保存と解凍後移植によるクローン作出が可能なことによって、希少動物種の保存が長期間にわたって可能になります。ブタは、元々世界中に数百種類の品種があったといわれていますが、家畜の領域で長年にわたり品種改良によって様々な交配が行われ、オリジナルの種の遺伝資源というのを保存するのが困難になっています。このような経済性理由のために、品種の多様性が急速に失われています。これを保存するために、クローン技術と受精卵凍結保存技術を利用することが可能です。受精卵を凍結保存しておけば、借り腹につかうブタはありふれた肉用のブタで、作出することができます。その一環で、中国雲南農業大学が保持しているバンナミニブタのクローニング研究に協力しています(長嶋が客員教授として協力) さらに、本来自然界に存在したブタの品種(在来種)と同様に、人的に育種してきた人工的な品種も重要と考えられます。その時代時代によって、人間の嗜好が変化するとともに好みの肉種も変化するので、品種が加工されていき、きちんと保存していかないと後になって大事な形質が失われていってしまいかねません。胚凍結保存によって、ワインのように特定の年代の肉製品・乳製品の味というのを保存できるようになります。この取り組みとして、高級ブランドブタであるTokyo-X(東京都農林総合研究センターが開発)の保存にも取り組んでいます。 

・医原性不妊の救済研究
当研究グループでは加藤レディスクリニックと共同で不妊治療の技術開発にも参加しており、マウスをモデルにして卵、受精卵の安定的凍結保存技術を確立してきました。ガンなどの治療のために不妊に陥る適齢期の女性が多い中、ガン治療の代償として不妊になるのを救済する措置として治療前に卵子を保存する方法と卵巣を保存する方法があります。卵巣保存の優れた点は、生殖細胞を作ると同時に、内分泌腺であるため、ガンの治療後に自分自身の年齢が進んだ段階で保存してあった卵巣を移植すると、生殖機能が改善すると同時にQOLも改善することです。この生殖医療技術の安全性・有効性を検証するために、老化促進マウス(SUMPマウス)を使って若齢時に凍結保存した卵巣を老化後に移植する実験を行って、繁殖性の回復を調べており、世界で初めて老齢マウスに繁殖性を回復させて妊娠・出産を行うことに成功しました。 
 この技術が人間で応用されれば、医原性不妊の女性、高齢女性に妊娠・出産の希望を与えることが可能になります。このように当研究グループの凍結保存技術は臓器単位での凍結保存にまで発展してきており、再生医療・生殖医療の発展に大きく寄与しています。

  • 日本経済新聞、NIKKEI NET 2009/08/05
    • 「明大など、高齢マウスの出産成功 卵巣移植で繁殖力回復」
    • 若いメスのマウスから摘出・保存しておいた卵巣を、そのマウスが年をとって繁殖能力失った時点で体内に戻して子供を出産させることに、明治大の長嶋比呂志教授らと加藤ディスクリニック(東京・新宿)の研究チームが成功した。加齢で失った繁殖能力を保存卵巣の移植で回復させたのは、哺乳(ほにゅう)類では世界初という。6日、京都市でかれる日本受精着床学会で発表する。研究チームは性的に成熟した生後70日のメスのマウス8匹からそれぞれ片側の卵巣を摘出し、凍結保存。人間の閉経後に相当する同385日になった時点で、それぞれのマウスに移植した。
  • 毎日新聞、Yahooニュース 2009/08/06
    • 「卵巣凍結保存、高齢マウスに移植し出産成功…明大チーム」
    • 若齢時に摘出し凍結保存していた卵巣を、高齢で生殖機能をなくした後のマウスに戻して出産させることに、明治大大学院農学研究科と加藤レディスクリニック(東京都新宿区)が成功した。凍結卵巣の自家移植が実用化すれば、閉経など加齢による女性の生殖機能障害を避けられる可能性があるという。京都市で6日から開かれる日本受精着床学会で発表する。研究チームの明治大大学院生、池田有希さん(生命科学)らは、正常な若いマウス8匹について、二つの卵巣のうち一つを生後70日で摘出し凍結保存した。マウスは摘出後、最長336日間飼育して加齢による生殖機能の停止を確認。保存していた卵巣を、それぞれ元のマウスに戻した。その結果、6匹で正常な発情周期が回復し、そのうち4匹が雄と自然交配して2匹が妊娠した。そのうち1匹は雄と雌計2匹の子を産んだ。2匹とも正常に育っている。高齢で生殖機能を失った哺乳(ほにゅう)類が、凍結卵巣の自家移植で出産した例はないという。同クリニックの桑山正成・先端生殖医学研究所代表は「卵巣の自家移植で老化によって失われる排卵から交配、妊娠、出産にかかわる機能の回復を確認できた意義は大きい」と話している。
病態モデルブタの作出  

病態モデルブタブタは生理学的、解剖学的、病理学的にヒトと似ている事、また体の大きさがヒトに近い事から、大型動物モデルとして医療研究分野で注目されてきました。これまで遺伝子組み換えのネズミ類はいましたが、大型動物の遺伝子組み換えモデルはいませんでした。近年の遺伝子操作技術、発生工学技術の進歩により、遺伝子改変ブタの作出が可能となり、それらを新しい治療方法や新薬の開発に利用することも注目されています。当研究グループでは、糖尿病を発症するブタの作出に世界で初めて成功し、病態モデルとして研究用に提供するための量産にも取り組んでいます。この糖尿病モデルブタは、若年発症成人型糖尿病(MODY)の原因遺伝子である変異型ヒトHepatocyte Nuclear Factor-1遺伝子を導入したトランスジェニッククローンブタであり、このブタは、糖尿病の診断基準である「随時血糖値200mg/dl以上」の血糖値を示し、経口糖負荷試験でもヒト糖尿病患者と同じ血糖値推移を示しました。(インスリン産生能力が低い) この糖尿病モデルブタはインスリン投与による血糖コントロールが可能なので、長期間生存させることも可能です。また、恒常的に高血糖値を示す事から、糖尿病治療薬の開発、糖尿病治療を目的とする新規療法・ティバイス開発、膵臓(膵島)の移植・再生医療などの前臨床的研究に有用です。現在、糖尿病発症ブタの精子保存に取り組んでおり、精子凍結保存が完成した際には、糖尿病発症ブタを実験動物として大量供給することが可能となり、同時に糖尿病発症大型実験動物としての系統が樹立されることになります。

  • 日本経済新聞 2009/09/07
    • 「ヒト遺伝子で糖尿病ブタ」
    • 明治大学の長嶋比呂志教授らとバイオベンチャーのバイオス医科学研究所(神奈川県平塚市)は人の遺伝子を使い糖尿病のブタを作ることに成功した。人の糖尿病のような症状の表れる大型動物は初めて。新薬の効果や安全性を調べるのに役立つ。今秋から人工的に繁殖し量産を始める。来年にも製薬会社と協力して治療薬の開発につなげる考えだ。ブタに使ったのは、膵臓で血糖値を下げるインスリンを作るのに必要な遺伝子。この遺伝子に異常があるとインスリンがうまく作れず糖尿病になる。この遺伝子の変異型をブタの精子に加えて受精させ子宮に移植、子ブタを得た。いずれも高血糖になった。人と同様にインスリンを投与したところ、血糖値が下がった。糖尿病ブタの開発は新薬開発などを後押しする。薬の研究では成長が早いマウスが主に使われるが、体重や寿命が人と大きく違い薬効や安全性を確認するのは難しい。人間に近い大きな動物を使ることが課題になっていた。再生医療の開発を加速させる可能性もある。様々な臓器・組織を構成する細胞に育つ新型万能細胞(iPS細胞)などを使って作った膵臓の細胞をこのブタに移植し、効果や安全性を確認できるという


異種移植時の拒絶反応の原因になる遺伝子をノックアウト  

世界的な臓器不足、 渡航移植の制限といった課題を打開するために各国は臓器供給方法を検討しなければならない中、異種移植が注目されています。ブタは人間と臓器サイズも機能も類似していることから、当研究グループではブタを使った異種移植を研究しています。ブタ臓器の人への移植の関門は、超急性拒絶反応ですが、これを克服するにはα1,3-ガラクトース転移酵素の遺伝子(Gal-T)をノックアウトをしなければなりません。Gal-T遺伝子のノックアウトモデルの作出したのは、世界に数グループしかなく、日本で成功したのは当研究グループのみです。Gal-T遺伝子ノックアウトブタは、遺伝子ノックアウトに加えて補体制御因子他の免疫反応抑制に関する遺伝子も導入されていることが特徴です。
Gal-Tノックアウトブタはこれまでに大阪大学・日本ハム・明治大学の共同研究で開発されてきましたが、現在は明治大学に維持されています。当研究グループでは、異種移植研究推進用に研究者に供給するためにクローン作成に取り組んでいます。

赤色蛍光に輝くブタの作出  

赤色蛍光遺伝子導入ブタ当研究グループでは、体細胞クローニングの際に赤色蛍光タンパク(クサビラオレンジ)遺伝子を導入することで赤色蛍光に輝くブタを作出することに世界で初めて成功しました。この蛍光マーカーを移植に利用することにより、同じクローン集団内で遺伝子改変を行っていないブタと、遺伝子改変を行った病態モデルブタそれぞれにおいて、移植した細胞・組織の分化、動態を把握することができ、遺伝子発現を追跡することが可能となります。従来から利用されていた緑色蛍光タンパクであるGFPを組み込んだブタは世界で何グループも作られてきましたが、赤色蛍光は存在していませんでした。赤色蛍光(クサビラオレンジ)は緑色蛍光(GFP)よりも波長が長いため、細胞の追跡やイメージングに有利なのが特徴です。
赤色蛍光ブタの組織や細胞を使って細胞移植・組織移植などの際の細胞追跡を容易にすることができ、この技術を病態モデルブタに組み込むことで、高付加価値な病態シミュレータが実現することになり、再生医療の検証、製薬開発を推進することが可能になります。

クサビラオレンジ蛍光遺伝子導入ブタの発色している様子がわかるムービー


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